セルフフットケア

桜井祐子の連載☆セルフフットケア7

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このコーナーでは、毎月、足のケア専門家・フットケアスペシャリストが自宅で3分簡単「セルフフットケア」法をお伝えしていきます。

 

第7号では、「足の爪ケアの仕方 巻き爪編」をご紹介します。

 巻き爪とは、爪の両側が巻き込んだ状態のことをさします、主に親指に生じやすいですが、他の指にも生じることもあります。圧迫を受けると痛みを伴い、また爪の周りの皮膚へ食い込んで炎症を起こすことで爪囲炎(そういえん)を起こすこともあります1)



巻き爪かどうかの判断は、爪湾曲指数(そうわんきょくしすう:Curve Index、またはHeight Index)を算出することで基準値をみることが可能です。爪湾曲指数とは、上の写真のように、爪の真正面方向からみた「爪の高さ÷横幅×100」で算出した数値で、単位は%です。巻き爪は、その計算式により算出された数値が30%以上だと、巻き爪の可能性があると言われています2) 3) 4)

巻き爪の原因は、不適切な爪切り、足に合わない靴、外傷、遺伝、外反母趾、年齢、β遮断薬の使用、乾癬、爪水虫、SLE、川崎病などが関与していると報告がありますが、最近では、歩行時の爪先にかかる重力に対する爪への圧力の不足による影響とも報告されています5) 6) 7) 8)

巻き爪がひどくなると、痛みを伴うこともあり、痛みは、歩行を困難にさせてしまいますね。そんな事態にならないように自宅でできる「巻き爪ケア」の方法を3種類ご紹介します。


1. 爪の周りの洗浄



巻き爪のセルフケアでまず最も大切なことは、爪の周りをきちんと洗い、清潔に保つことです。歯と歯の間の汚れをしっかりブラッシングする要領で、足の爪と皮膚の間の溝に溜まった汚れなどを泡立てた洗剤で優しく掻き出しましょう。爪の周りをしっかり洗い、しっかり水分を拭き取り、清潔に保つことで、巻き爪による痛みや状態の悪化を防ぐことができます。

 

2. 巻き爪テーピング



爪の両側、もしくは先端部で、爪が皮膚にあたって違和感や痛みを感じる場合は、テープを使って、爪と皮膚の境界を離してみましょう。軽度の食い込みの場合は、楽になることが多いです。

 

3. コットンケア



コットンを縦長に裂いて細く捻り、爪の先端部の白くなっているところに入れ込んでみましょう。コットンは多すぎず、少なすぎず、爪の下にクッションがあるような感じで心地いい感覚が適量です。指先に力を入れたときに違和感があるようだと多すぎます。決して、爪の先端部の白いところを無理に押し広げるようにギュウギュウ詰めたりしないようにしましょう。捻りコットンは、爪の周りを洗ってから行いましょう。

 

おわりに
強い痛みを伴う巻き爪は、陥入爪(かんにゅうそう)と呼ばれ、爪の周りの皮膚に爪が食い込み炎症が起きている可能性が考えられます。その場合は、まずは炎症を抑えるために、お近くの皮膚科の受診をされることをお勧めします。病院に行くほどでもない軽度の場合は、足のケア専門家(フットケアスペシャリスト)に相談してみましょう。次回は、巻き爪予防につながるおすすめグッズをご紹介いたします。

 

 

参考文献:
1) 高山かおる.(2016)陥入爪・巻き爪の治療戦略. Monthly Book Derma, 243: 55-62.
2) Lee JI, Lee YB, Oh ST, Park HJ, Cho BK. (2011) A clinical study of 35 cases of pincer nails. Annals of Dermatology. 23: 417-423.
3) Jung DJ, Kim JH, Lee HY, Kim DC, Lee SI, Kim TY. (2015) Anatomical characteristics and surgical treatments of pincer nail deformity. Archives of Plastic Surgery. 42: 207-213.
4) 桜井祐子, 田辺解, 久野譜也. 中高年女性の巻き爪に対する歩行矯正を施した歩行トレーニングの効果に関する研究. 日本臨床スポーツ医学会誌. 27(2), 2019.

5) Bryant A, Knox A.(2015)Ingrown toenails: the role of the GP. Australian Family Physician. 44: 102-105.
6) Heidelbaugh JJ, Lee H.(2009)Management of the ingrown toenail. American Family Physician. 79: 303-308.
7) Sano H, Ichioka S.(2012)Influence of mechanical forces as a part of nail configuration. Dermatology. 225: 210-214.
8) Tully AS, Trayes KP, Studdiford JS.(2012)Evaluation of nail abnormalities. American Family Physician. 85: 779-787.

 

 


桜井 祐子


フットケアスペシャリスト(足のケア専門家)
博士(スポーツ医学)

足の専門店 PEDI CARE 代表(横浜)
足の専門校 SCHOOL OF PEDI 校長(横浜)
一般社団法人日本トータルフットマネジメント協会 理事長
一般社団法人足育研究会 経営企画委員

日本フットケア学会 会員
日本靴医学会 会員
日本臨床スポーツ医学会 会員

足の問題を様々な視点から保存的に改善するために、ドイツ式メディカルフットケア ポドロギーをベースとした角質ケア、足爪ケア、巻き爪ケア、リフレクソロジー、ボディケア、インソール作成、靴調整などのトータルフットケアを提供するフットケアサロンを開設。足の専門家育成のために、医師・看護師・介護福祉士・セラピスト向けにスクールで指導にもあたる。著書に「サロンワークに役立つ実践フットケア」(フレグランスジャーナル社)。 NHK出演、書籍、雑誌執筆、講演多数。

JTFA web: http://www.japanfoot.or.jp
足育研究会 web: http://www.sokuiku.jp/
Salon web: http://www.globalcare.co.jp/
School web: http://school.pedicare.jp/